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スーパーバイザーに必要な5つの役割と機能そして存在価値

フランチャイズビジネスにおけるスーパーバイザー(以下、SVという)の重要性や役割・機能といった一般的なものについては、書籍やネットなどで情報として誰でも入手可能であり、5C+1Pなどは有名なフレームだと思います。

そういった情報をもとに、自社のSVについて考えているFC本部もあると思います。今日はわたしなりの切り口でSVについて書いてみたいと思います。形として、SVへのアドバイス(メッセージ)の体裁をとっています。

1人の人間として自立し、人間的魅力を備えてください。

自立とは、自ら考え、自ら行動することです。その為には経営者意識を持つことが必須です。経営者意識を持つためには、判断の難しいものや答えの出ないことについて、自らの責任において判断し、答えを出す覚悟を持つことから始まります。(判断の難しいものの代表は「どうすれば儲かるか?」であり、答えの出ないことの代表は「どうすればお客様に喜んでもらえるか?」です)

これはつまり自立です。言っていることがループしていますが、このループに身を投じるためには、まず意見を口に出すことから始めてください。最初から正しい意見を言える人は稀です。意見をたくさん言うことが正しさを確保することに繋がります。

人間的魅力を備えることとは、経験と知識をたくさん身に付けることです。良い経験と正しい知識を身に付けるには、本当にたくさんの経験と知識が必要になります。その為には、自ら考え、自ら行動すること、つまり自立することです。またループしましたが、経営者意識を持つには、この無限ループの中で悩み苦しむことから始まります。

謙虚さと傲慢さのバランスが必要です。

謙虚さとは、知らないことの自覚であり、未熟さを自覚することです。そして、知らないことや未熟さを隠さずに相手に伝えることです。(知っていることを隠すことを謙虚とは言いません)当たり前ですが、知ったかぶりや自分を大きく見せるような態度は必要ありません。

傲慢さとは、知っていることや経験したことのあることを自覚し、自信を持って相手に伝えることです。それは未熟さの自覚のあることの裏返しです。

この謙虚さと傲慢さのバランスとは、自分の意識、態度であり、相手方からどの様に見られるかではありません。

おこがましくも人を育てる指導する、という意味を考えてください。

教師は生徒から学び、親は子供から育てられ、コンサルタントはクライアントから教えられる、と言います。これらの二項関係は、SVとオーナーの関係性と近似しています。つまり、SVはオーナーから学び、育てられ、教えられることになります。

その気になれば(ならずとも)子供からさえ学び、育てられ、教えられるのですから、いわんや社会人・ビジネスマン・経営者であるオーナーにおいてをや。自分もオーナーと一緒に育つことの出来る幸せを噛みしめてください。

素直さ、屈託のなさ、単純さ、オープンマインドを持ってください。

お客様と自分(自社)という関係性からお客様と自分(自社)とオーナーという、二項関係から三項関係になることにより、事は複雑になり、良い悪いや白黒・左右、のような簡単な答えでは済まなくなります。(本当は四項関係です、後述します)

だいぶん悪いけど少しは良い、薄いグレーで少し青みかかっている、真中より少し右だけど左の要素もある、などという訳の分からないことが現実となります。(現実はこの例えより更に複雑です)だからこそ、(本当の中身はどうであれ)上記のようなマインドを持つことが必要です。この衣を厚く纏うことにより本当の中身=自分を守ることにもなります。

視座・立ち位置の複数化が必要です。

蟻の目、鳥の目、魚の目、という言葉があります。蟻のように地面を這うようなモノの見方、鳥のように大きく俯瞰するモノの見方、魚のように流れを敏感に感じるモノの見方が必要という意味です。それとは別にSVならではの視座・立ち位置を絵に書いて説明します。

SVとオーナー、お客様、本部との関係

SVとオーナー、お客様、本部との関係は上記のようなイメージになります。

オーナーに対する場合

オーナーに対する場合は上記のようになります。つまり、SVはオーナーに対し、お客様と本部を代表する立場となります。

お客様に対する場合

お客様に対する場合は上記のようになります。つまり、SVはお客様に対し、オーナーと本部を代表する立場となります。

本部に対する場合

本部に対する場合は上記のようになります。つまり、SVは本部に対し、お客様とオーナーを代表する立場となります。

このようにSVとは複義的、複価的な存在です。上記のような視座・立ち位置の取りかたが自然と無理なく無意識に、ある程度矛盾なく出来るようにならなくてはいけません。そのようになる為には、経営者意識が必須となります。

最後になって訳の分からない無限ループの出来上がりです。この無限ループの中で悩み苦しみ立派なSV=経営者になってください。そうなることによって他方のループであるオーナーから認められ、互いに育て合う関係になれます。そうすれば、ループの繋がりであるフランチャイズチェーンが強く立派になるでしょう。それがSVの役割・機能であり存在価値です。

在庫負担の本当の意味を探ってみた

わたしは、フランチャイズ業界に身を置いて20年余り、その間ほとんどの期間を店舗での仕事に携わってきました。フランチャイズ業界に拘わらず一般的呼称である店長、エリアマネジャー、スーパーバイザーなどの職種を経験しました。

今でこそ、無店舗のフランチャイズチェーンはそれ程珍しくはなくなりましたが(それでも「いいネしごとぎや」のような小売業での無店舗フランチャイズチェーンは珍しいと思います)、流通サービス業が中心のフランチャイズ業界では、依然として有店舗ビジネスが中心であることには変わりありません。

今回は店舗ビジネスでは切っても切れない「在庫」について考えてみました。それも巷間良く見聞きする在り来りな話ではなく、わたしなりの独自視点で考えてみました。

小売業と製造業の在庫の意味の違い

在庫とは、商品や製品、原材料などが店舗や倉庫などにあることを指します。この「在庫」についての考え方は小売業と製造業では少し違います。これは、「在庫」がお客様の目に触れるかどうかの違いとも言えます。

ですので、製造業にあっても所謂ショールームのような場所では、どちらかと言うと小売業と近い「在庫」の考え方をすることになると思います。しかし、ここでは分かりやすくするために製造業の在庫=原材料や仕掛品=倉庫にあるもの、小売業の在庫=商品=売り場にあるもの、と簡易に定義します。

製造業にとっての「在庫」は、極端に言えば、「悪」です。製品を製造するために「仕方なく、最低限」在庫するものであり、できれば減らしたいものです。ですので、その「在庫」を見る目は自然と厳しく、シビアになる傾向があります。

小売業にとっての「在庫は」は、極端に言えば、「善」です。商品を販売するために「進んで、最大限」在庫するものであり、できれば増やしたいものです。ですので、その「在庫」を見る目は自然と甘く、マイルドになる傾向があります。

この「仕方なく」と「進んで」の違いが、次に考える「在庫管理」に大きく影響を与えていることは間違いないと思います。

在庫を管理するということ

ここからは、小売業における在庫管理について考えたいと思います。小売業における「在庫」を「管理」する目的は、大きく二つあります。一つは、ロスを出さないこと。もう一つは欠品させないこと。

ロスを出さないことは、費用を抑えることと言い換えることができます。欠品させないことは、売上を増大することと言い換えることができます。この二つをまとめて言い換えると、「在庫」を「管理」する目的は、「利益」を出すことであると言えます。

これは、改めて言うまでもなく、至極当たり前のことであり、企業の目的は利益を出すことであり、その他の企業における活動はすべて手段であると言えます。ただ、色々な段階で手段を目的化してマネジメントすることは、これもまた当たり前です。

よく、適正在庫を保つ、という言い方をしますが、適正在庫を保つことそのものは目的ではなく、適正在庫を保つことにより、ロスや欠品を発生させないことが目的であると言えます。

この2つの目的の達成度合いを判断する方法は夫々あります。ロスが発生したかどうかは、実地棚卸によって明らかになります。一方欠品が発生したかどうかは、棚卸しによるロス金額の確定、のような明確に判断する方法はなく、情報システムや人的なチェックによって掴むことになります。

また、ロスと欠品は攻めと守り、表裏一体を表していると言うことができます。つまり、欠品させない為には、積極的な発注による攻めの姿勢が不可欠ですが、極端に過ぎると(時には極端に過ぎなくとも)ロス発生の原因となり、守りの姿勢の必要性が高まります。

これにより、小売業における「在庫管理」とは、攻めと守りのバランスをいかにして取ることが重要であるかと言えます。そして、ロス・欠品ともに発生を最小限に食い止める魔法のような方程式は存在せず、小売業に携わる人たちにとって、難しい、そして永遠のテーマの一つであると言えます。

在庫負担とは

ここからは、「在庫」の「負担」について考えます。負担とは重荷です。ですから前述の通り、製造業では「仕方なく、最低限」にしようと努力します。一方で小売業ではこれも前述した通り、「進んで、最大限」にしようと努力します。

この言い方には賛否あるかと思いますが、家電量販店を例えに出すまでもなく、本当に「進んで、最大限」にしているが如く、わたしには感じます。これは、大手企業におけるロスのリスクをコントロールできるだけのノウハウと費用化を予め見込めるだけの資本力があっての物種であると言えます。

ここでいう在庫負担とは、大きく二つの意味を持ちます。一つは、在庫そのものの負担です。これはお金に置き換えることができます。つまり在庫を5百万円持つような商売では、常時5百万円の資金の固定化が起こります。

二つ目は、在庫管理に係る負担です。これはお金と時間と人に分けて考えることができます。お金とは商品ロスと機会ロスです。時間は在庫管理に係る実際の時間です。人は在庫管理に係わる実際の人間のことです。(時間と人を掛けることによってこれもお金に置き換えられます)

つまり「在庫負担」とはお金である、という至極真っ当で当たり前の結論となることは、論ずる前から明らかなことであり、考えるまでもないことで有ります。ここまでは長いながーい前置きです。

最後に分かる在庫負担の本当の意味

ながーい前置きの後に短い本題を。

人は誰でも創業時には、未来に希望を持ち、ピリオドを打つことを想定せずに商売をスタートさせます。(例外もありますが、本当に例の外です)流通サービス業における創業時の事業計画において、出口戦略をキッチリ描いたものを見ることは稀です。

しかし、現実は過酷であり、リーマンショックは正しく現実に起こりましたし、それを予測することなど不可能でした。また、その影響は、程度の差こそあれ、トヨタ自動車にもリーマンショックの1か月前に創業したばかりの個人事業主にも同じように降りかかりました。(固有名詞に他意はありません)

在庫負担の本当の意味は、廃業時に理解できます。廃業時に5百万円の在庫が(商品が)、お金に変わることを望むことはナイーブに過ぎます。準備ができる状況であれば良しとするにしても(廃業に向かって準備することを良しとは言えませんが)、望むべくもない状況に置かれることは常であると言えます。

誰しも(大企業でも個人事業主でも)商売をやっている最中はそれほど(全くといっても良いほど)重荷と感じることはないと思います。しかし、廃業時の在庫負担(重荷)は大企業と個人事業主では比ぶべくもありません。

出口戦略の重要性を言いたいわけではありません。ただ、創業時に一欠けのリアリスティックな醒めた想像力を働かせれば、投資回収率やROAといった数字にも、また、現実的な現金の多寡にも差が出てくると思います。

ということで、在庫負担の本当の意味は、廃業時に重荷となって初めて理解できるという私見でした。大企業にお節介を焼くほどの神経は持ち合わせていませんが、これから起業を目論む人に多少なりとも参考になれば幸いです。