月別アーカイブ: 2014年11月

ブラック企業を見分けるための5つのチェックリスト

ブラック企業を見分けるための5つのチェックリスト

今回の記事では、ブラック企業を見分けるためのチェックリストをご紹介します。5つの分野に分けて、チェックリストをご紹介しますので、これを使って、ブラック企業かどうかを判断するための材料にしていただければと思います。

ブラック企業を見分けるための5つのチェックリスト

ブラック企業という言葉の定義に関しては以前と比べて、かなり幅が出てきています。これについては筆者が、新聞、テレビ、雑誌、ネット等で出現する「ブラック企業」という言葉とその使われ方、意味合い、前後の文脈などを分析した単なる私見に過ぎませんが、この言葉が使われだした当初の数年前に比べて、その言葉の持つイメージに幅が出てきたことに、後述の知恵蔵を持ち出すまでもなく異論は出ないと思います。

しかし、定義の幅が広がっているとはいえ、ブラック企業かどうかの判断にはいくつかの基準があり、自分が勤めている会社がブラック企業ではないか?と疑念が頭をもたげたときに、その基準と照らし合わせると、非常に役に立ちます(勿論疑念を晴らすにも)。

ここでは、そのブラック企業を見分けるためのチェックリストを紹介します。これを使って、ブラック企業かどうかを判断するための材料にしていただければと思います。5つの分野に分けて、リストを設けていますので、どの分野でブラック度が高いのか、自分なりに判断していただければと思います。

ブラック企業の定義

初めに、ブラック企業について、知恵蔵2014には、次のような記述があります。

労働者を酷使・選別し、使い捨てにする企業。「ブラック会社」ともいう。度を超えた長時間労働やノルマを課し、耐え抜いた者だけを引き上げ、落伍者に対しては、業務とは無関係な研修やパワハラ、セクハラなどで肉体・精神を追い詰め、戦略的に「自主退職」へと追い込む。金融危機の影響で就職難が深刻化した2000年代後半から、こうした悪辣な企業を指すようになった。その明確な定義はないものの、以上のような「合法か否か」の境目をはるかに超えた「劣悪な労働」「峻烈な選別」「非情な使い捨て」などが特徴で、企業規模や知名度とは関係なく、入社3年内の離職率の高さや社員の年齢構成(30~40代が極端に少ない等)が1つの指標とされる。なお、かつては反社会的企業(暴力団系やそのフロント企業など)を指す言葉だった。

もともとは、長時間労働やサービス残業、実際には勤務することが不可能になるような転勤命令がある会社について言っていましたが、今では以上のように、内容も多岐に渡っています。

それではチェックリストをご紹介しましょう。

分野1:経営母体や業務内容について

  • 経営母体が暴力団やその関係者などである。
  • 経営者・上層部に権限だけが集まり、負うべき責任は社員に押しつける。
  • 扱っている商品やサービスが反社会的なもの、人をだますもの、ネズミ講である。
  • 無理なノルマを課せられる。
  • ノルマを達成できない場合は、その商品やサービスなどを自腹で負担しないといけない。
  • 家族、親類縁者、知り合いなどに自社製品を購入するように強要しないといけない。
  • 社員の定着率が悪く、それを見越した大量採用がよく行われる。

分野2:就業時間など勤務条件

  • 残業が多い(残業するのが当然である)。
  • サービス残業をさせられる(残業代が出ない)。
  • 実際に働いた時間ではなく、決められた時間(定時出社・退社)を勤務表に書かされる。
  • 残業が深夜にまで及ぶ(時には日が変わるまで)。
  • 早朝出勤をさせられる(時間外手当は出ない)。
  • 昼休みが取れない。
  • 代休(有給)が取れない。
  • 体調不良や家族の結婚式やお葬式でも休めない。
  • 給料が安い。
  • 採用されたときに提示された条件と実際の勤務形態が大きく違う。
  • 福利厚生がない。
  • 保険、年金などの制度が整っていない。
  • 育児休暇を取るなら、仕事を辞めないといけない。

分野3:上司や同僚などに関して

  • 社長や上司など上の人の言うことが絶対であり、異論・反論などが言えない状況である。
  • 上司がどなり散らす(吊るし上げのようにみんなの前で怒られる)。
  • 同僚がお互いの悪口を言っている。
  • 同僚が足を引っ張り合っている。
  • 社員への嫌がらせや脅しがある。
  • 職場にいじめが存在する。
  • 職場に無視されている社員がいる。
  • うつ病になった社員や過労死をした社員がいる。

分野4:その他

  • 離職率が高い(特に、入社3年以内)。
  • 辞めると言っても、辞めさせてくれない。
  • 辞めたくなくても、辞めるように仕組まれる。

分野5:外側から判断する基準

  • 就職情報誌や転職サイトで、いつでも社員を募集している。
  • インターネットで検索すると、働いている社員からの不満がヒットする。
  • 夜遅くまで事務所に明かりがついていて、外からでも残業しているのが分かる。

以前は今ほどうつ病が話題にのぼることはありませんでした。仕事が大変でも終身雇用、年功賃金が保証されるという環境の中で、大過なく過ごせば、何とか定年まで仕事が続けられるという気持ちがあったのかもしれません。

しかし、今ではいつ辞めさせられるか分からない、いつ会社がつぶれるか分からないという不安の中で働かないといけない人が増えています。また景気の悪化から、従業員の賃金の削減やサービス残業の強要がないと経営が成り立たない会社、社員を使い捨てにして生き残っていく会社が増えていったのも事実です。

チェックリストまとめ

今回は5つの分野に分けて、チェックリストを作りました。何割当てはまったらブラック企業ということではないですし、1つのポイントだけでも十分にブラック企業に当てはまる場合もあります。まず、自分が勤めている会社がブラック企業かどうか、客観的に判断するのに、このチェックリストを使ってもらえればいいでしょう。

特に、以前に会社でうつ病になった人や過労死をした人が出ていたら、要注意です。その人がどのような環境で、そのような状況に追い込まれたか、そして、途中で辞められなかった理由は何か、周りに聞いて調べてみると、その会社の大きな問題点が明確になります。

結論

以上述べてきたこととは矛盾することは百も承知で乱暴に結論付けると、ブラック企業とは、経営者がある意図をもって従業員に過度な負担をしいる企業であるといえます。

ここで云う「ある意図」の最大にして唯一と云って良いものは、「使い捨て」ではないでしょうか。つまり、この「意図」の有る無しが分水嶺となり、ブラック企業とそれ以外の企業を分けており、それは外形的に分かるはずもありません(いかにもな人もいらっしゃいますが)。

ならばチェックリストなど役に立つのかと云った自己否定の念に苛まれつつ更に迷子になるようなことを付け加えると、「経営者側と従業員側では見解は異なる」ということです。「使い捨て」という意図は肯定しませんが、意図せずに外形的に使い捨てのような状況になっている場合もあり得ます。その場合はおそらく(全てと云いませんが)従業員の側に問題があるのではないでしょうか。「親の心子知らず」に限らず、昔の人の言葉には真理が多く含まれています。

わたしの考える「ブラック企業」以外の「ブラック?企業」に働くこの記事を読まれている貴方、短絡的な行動を起こす前に、今一度考えることはありませんか?自分の置かれた状況を俯瞰してみるとまた違ったものが見えてきますよ、きっと。

人事出口戦略シリーズ6 人事出口戦略における戦術(制度)とは?

過去のシリーズは下記からご覧いただけます。
人事出口戦略シリーズ1手切れ金と引き換えに解雇できる首切り法
人事出口戦略シリーズ2首切り法の須要背景「高齢化と定年と年金」
人事出口戦略シリーズ3人事戦略の入口には熱心で出口には無関心
人事出口戦略シリーズ4人事出口戦略に基づく新型雇用形態の増加
人事出口戦略シリーズ5人の出会いと別れは不可分にして表裏一体

人事出口戦略における戦術(制度)を、定年制度以外に調べてみますと、

1)独立支援制度
2)早期退職優遇制度
3)再就職制度(天下り含む)
4)嘱託(再契約社員)制度
5)再雇用制度(復職制度)
6)退職金割増制度(退職勧奨)
7)社内起業制度(社内ベンチャー、インキュベーター)

の七つくらいでしょう。他にもあったら教えて下さい。

ある年齢に達すると役職が無くなる役職定年制度は、定期昇給制度(年功序列)の反作用につき、人事出口戦略には当たりませんし、ワークシェアも苦肉の策であって、人事出口戦略には当たりません。人事出口戦略は、円満に別れながらも、友好関係を失わない「会社と社員のWin-Win」です。

なぜなら、辞めた社員が、クチコミの発生源になる可能性もありますし、顧客になる可能性もあるからです。一例として、某薬局のように、独立支援制度と再雇用制度(復職制度)を組み合わせている企業もありますし、早期退職優遇制度と再就職制度を組み合わせている企業もあります。

まとめると、会社と社員がWin-Winになれる別離の制度(戦術)を、企業側が用意することこそ人事出口戦略。非正規雇用が労働人口の1/3を超え、過去最高値を更新し続けている反面、正規雇用が減少の一途をたどっている今、人事の入口よりも、人事の出口戦略が、今後ますます必要性を高めることでしょう。

人事出口戦略シリーズ[完]

人事出口戦略シリーズ5人の出会いと別れは不可分にして表裏一体

過去のシリーズは下記からご覧いただけます。
人事出口戦略シリーズ1手切れ金と引き換えに解雇できる首切り法
人事出口戦略シリーズ2首切り法の須要背景~高齢化と定年と年金
人事出口戦略シリーズ3人事戦略の入口には熱心で出口には無関心
人事出口戦略シリーズ4人事出口戦略に基づく新型雇用形態の増加

人材でも人事でも、接頭語は何でも結構ですが、人事における出口戦略を一言で表すと、『雇用契約の解消を制度化した人事戦略』と定義づければ分かりやすくなります。個人でいえば、離婚のようなものです。

「離婚を前提に、結婚する奴ぁおらんやろ」

ご説ごもっとも。

しかし現実には、夫婦の30%が離婚しており、年間一万件の離婚訴訟があるということは、離婚(あるいは死別)を前提に結婚しないタメ、いざ離婚に直面した時モメるという解釈も成り立ちます。離婚を前提に結婚しておけば、未然に防げた可能性も大。

会社の人事と結婚を一緒くたにするのは見当違いとの反論もありましょう。が、入社も結婚も、しょせんは、人と人の営み。人の泣き笑い、怒り悲しみ、喜び楽しみに、オフィシャルもプライベートもありません。

つまるところ、人間関係なんですよね。出会いがあれば別れがあるように、人が出会えば、いつか別れる時が来る。そういう単純な本質です。

その別れの時を想定しておきますか?
それとも、別れる時のことは考えませんか?

離婚する気がないとしても、もし離婚するとしたら、円満離婚しますか?泥沼の愛憎劇を繰り広げますか?という話です。

会社の人事も同じです。採用した正社員が辞めることになった時、

1)円満に別れて、その後は別の道を歩みますか?

2)円満に別れて、同じ業界・同じ道を歩みますか?

3)けんか別れして、2ちゃんねるに悪口を晒されますか?

4)けんか別れして、裁判沙汰になりますか?

5)別れ方はどうあれ、また復縁しますか?

選択肢の本質は、以上5つのみ。

さあ、あなたなら、どの選択肢を選びますか?ヒトモノカネのうちの、人事の問題ですから、経営判断ですね。その判断によって、人事出口戦略における戦術(具体的な制度)が決まります。

人事出口戦略シリーズ6(最終回)人事出口戦略における戦術(制度)とは?に続く(近日公開予定)

2014/11/18 人事出口戦略シリーズ6(最終回)人事出口戦略における戦術(制度)とは?を公開しました