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人事部が人事出口戦略を検討すべき理由を年金制度から考えてみた

年金制度の崩壊、老後不安の加速

人事部が人事出口戦略を検討すべき理由を年金制度から考えてみたまずは下記の記事をご覧ください。

参考記事URL:http://blogos.com/article/63755/
記事タイトル:100年安心なはずなのに、なぜ年金の支給開始年齢引上げ?

—記事から引用—

現在、公的年金の積立金は厚労省の財政計画をはるかに上回るスピードで取り崩されており、100年安心どころか、30年安心も危うい状況にある。もっとも、今年度はアベノミックスで株価が上がり、積立金の運用益が10兆円程増加する見込みだそうであり、それは大変結構なことである。

しかしながら、少子高齢化進行によって、現在、保険料収入や税金投入額よりもはるかに上回る年金給付を行っていることから、構造的な問題として、年間6~7兆円の規模で積立金が取り崩されている。いくら株式市場が回復しても、原資が急速に取り崩されてゆく状況では、「ばくちの元手」が少なくなってくるから、挽回の余地は限られる。

—引用ここまで—

将来不安をあおるような内容になっていますが、私たちの老後を支えてくれるはずだった年金はかなり不安定な状態になっていることは間違いありません。

人事部が人事出口戦略を検討すべき理由とは?

年金制度がこのような状況にある中、その解決策の1つとして、私たちは企業における人事出口戦略があると考えています。そもそも、人事出口戦略とは、人事戦略を「入口(採用)」、「真ん中(教育、配置・配属)」、「出口(退職)」と三分割した時、「出口(退職)」にあたる部分を人事出口戦略といいます。

言い方に多少問題がありますが、一言で言えば、「社員にどうやって会社を辞めてもらうか?」です。誤解のないように言えば、無理なリストラのように「やめさせる」というわけではありません。無理に解雇することは法律でも禁止されていますから、そういう意味ではありません。会社にとっても社員にとってもWINWINの辞め方をどう実現するか、その仕掛けをどう準備しておくかが人事出口戦略なのです。

人事出口戦略がない企業は、社員がリタイアするまで雇用し続けることになります。つまり、年齢に関係なく、いろんな事情で働けなくなるまで雇用することになります。これはつまり、人件費の負担増だけでなく、社員の平均年齢が高くなることを意味します。

だからこそ、定年制度や早期退職優遇制度など「やめてもらうための制度」が存在します。しかしながら、現在の人事出口戦略には問題点があります。たとえば、早期優遇退職制度や定年制度で退職するとある程度の退職金がもらえます。

仮に1000万円の退職金をもらえたとしましょう(中小零細の場合は数百万円、もしくはゼロということもあるみたいです)。その場合、年間300万で生活したとしたら、4年もちません。これが現実です。

しかし、年金制度がしっかりしていれば、退職金+自分の資産(貯金など)+年金で何とかやっていけるかもしれません(すべての人がそうであるとは限りません。住宅ローンの残高や家族構成にもよります)。ですが、上述のように、年金制度は崩壊しつつあり、その結果、受給年齢が引き上げられています。

そうなると、社員は、退社しても収入がない、生活ができないということが予見できるので、働き続けたいという心理が当然働きます。その結果、定年制度(60歳で退職する)ことや早期退職優遇制度そのものが崩壊し、企業としては高齢の社員をずっと雇用し続けることになります。結局、元に戻っただけという形ですね。

加えて、政府もそれを先読みしたのか、「改正高年齢者雇用安定法」を成立させています。65歳まで希望者を雇用し続けるという法律です。

http://www.j-cast.com/tv/2013/02/25166697.html?p=all

こういった法案は社員にとってみれば非常にありがたい話ではありますが、企業にとっては「やめてもらうことが先送り」になっただけなので、人件費の負担増でしかありません。

しかもその根本的な要因が、上述したように年金の受給年齢の引き上げが大きな要因になっています。年金制度崩壊を民間企業が人件費負担という形で「しりぬぐい」しているにすぎないのです。

こういった状況は今後、少子高齢化が進むにつれますます進行していくと思います。だからこそ、人事出口戦略(社員にどうやってやめてもらうか?)をしっかり考えておく必要があるのです。

御社に人事出口戦略はありますか?このままでは人件費の負担が増える一方です。今すぐにでも人事出口戦略を検討し、新しい人事制度を構築していきましょう。
(平成25年10月29日 人事出口戦略と事業社長制度のいいネしごとぎやフランチャイズ本部)

人事出口戦略とは何か?わたしの考えるあるべき人事出口戦略

今回はいよいよ「人事出口戦略」について具体的に述べていきたいと思います。まず、「人事出口戦略」の定義らしきものとして前回

「誰に、いつまでに、どの位の費用をかけて、どうやって、やめてもらうか」と書きました。細かいことはさておき、大意は間違っていないと思います。

そして、これに沿って今まで多くの企業は、「長年我が社で働いてくれた皆に、定年時に、相応の退職金を払って、当初の雇用契約通りに(円満に)、退職していただく」と考えていたのではないかと推察しました。(わたしの書くものは最初から最後まで愚見、愚察のオンパレードですが、ご容赦頂くことを前提に書き進めます、これからも、これまでも)

意識的であれ、どうであれ、「今まで」の「人事出口戦略」は、各社横並びの右へ倣え、で大差なく、大過なくやってこられたのは高度成長あっての物種であったと言えます、「今まで」は。

これからは、そうはイカのキンなんとか、と下卑た言い回しをしなくとも、「これから」の「人事出口戦略」は、各社様々な独自性を持つ必要が出てくると思います。

ある会社は、「業績悪いので、社員の20%にあたる100人に、今年中に、退職金割増して、やめてもらう」と考えるでしょう。こんなのは、「これから」どころか、まさに現在進行形です。

ある会社は、「業績悪いので、希望する人全員を対象に、支援金を払って、関連会社のFCオーナーとして、独立してもらう(=やめてもらう)」と考える。これも現在進行形です。

ある会社は、「業績そこそこの今のうちに、全社員を対象に、法律の要請に従って、65歳まで雇用継続するが、その代わりに、60歳を過ぎたら給料は半減するし、退職金も規定通り」と考える。これまた現在進行形。

わたしなどが言うまでもなく、企業は当たり前に、「今まで」とは違う「人事出口戦略」を考え、制度として実行中です。

3つのケースとも、どれも現実の「人事出口戦略」であり、各社の置かれた状況、事情に合わせた立派な「人事出口戦略」であると思います。(外野のわたしがとやかく言えるものではありません)
しかし、それだけで良いのでしょうか?

「お金出すから早くやめてほしい、やめた後は自分で考えて」
「お金出すし、次の働き口も用意するから、早くやめて」
「法律に従って65歳まで雇うけど、給料半額」

本当にこれだけで良いのでしょうか?

わたしは良いとは思いません。なぜなら、企業の経営資源である「ヒト」、「モノ」、「カネ」に対し、敬意を払わず、大切にせずして、何が企業経営でしょうか。

自社の商品・サービスを大切にしない会社とはどんな会社でしょうか。

自社の利益を粗末に使う会社とはどんな会社でしょうか。

会社勤務を立派に勤め上げた(勤め上げつつある)社員を大切にしない会社なんて、、、

わたしの考えるあるべき「人事出口戦略」とは、会社も社員もお互い100%の満足を得られないまでも、会社にとっての経営基盤を大きく損なわず、社員にとっても納得のいく職業生活からの引退を確保できるような「辞め方」、「辞めさせ方」の方向性や仕組みのことです。

このわたしの考える「人事出口戦略」が必要な理由は前述しました。このような「人事出口戦略」をとる企業が増えることを願望します。(理由が正当で必要性が高ければ、当然となるでしょうが現実は如何に)

今の日本にこそ必要な人事出口戦略を企業は考えているのか?

前回は、人事戦略を入口・真ん中・出口に分けて考えましたが、今回は、その出口に焦点を当てたいと思います。現実として、企業は人事出口戦略を考えているのでしょうか?

前回はこの自問で終わりました。この自問の前に「誰に、いつまでに、どの位の費用をかけて、どうやって、やめてもらうか」という人事出口戦略の定義らしきものをしました。これに違和感を覚えて、冒頭の言葉となった訳です。

考えていましたし、考えています。(自問の前に自答していました)

今は昔、日本では高度成長時代という良き時代がありました。乱暴にまとめると、1960年頃から1990年までの約30年、その中をこれまた大きく2つに分けて、第一次オイルショック(懐かしいですね)までは経済成長率は、平均9%程(も)ありました。そこから1990年までも平均4%程です。(2度にわたるオイルショックを経てもこの数字)

このような背景もあり、この時代、多くの企業は、「長年我が社で働いてくれた皆に、定年時に、相応の退職金を払って、当初の雇用契約通りに(円満に)、退職していただく」と、このように考えていたのではないか、この時代の典型的な人事出口戦略ではないかと愚察する次第です。

(人事出口戦略が意識されていようがいまいが)あながち間違ってはいないように思います。その証左として、終身雇用・定年制度が現実に運用され、それとセットされたかのごとく社会インフラとしての年金制度が機能していました。

別の言い方をすると、「良い時代だったので(高度成長時代)、難しいことは考えずとも(戦略なくとも)、右へ倣えで(よそもやってるので)、なんとかなるよ(実際何とかなっていた)」とも言えます。

余談ですが、わたしの父親は1931年生まれで、1986年に55歳(わたしも後2年でこの年になるとは感慨もひとしおです)で定年退職し、60歳までは同じ会社で嘱託として働き(給料は下がったそうですが)、その後完全にリタイアし、年金生活者となり老後を送っていました。(残念ながらガンを患い数年の闘病生活の末、65歳で他界しました。ホントに短い老後でした)

時代は変わり、近年は、年金受給年齢の引上げ、改正高年齢者雇用安定法の施行等により、状況は大きく変わりました。「なんとかなるよ(みたいな意識)」では何ともならない時代に(社会に)入りました(なりました)。

ここからが「企業人事における出口戦略」の本題です。「こんな社会に誰がした」こんなセリフは、頭のお弱い方の世迷言、戯言です。他人のせいにしても何も始まりません。何かしなくては何も変わりません。わたしなどが言うまでもなく世の中(社会)は昔からそうでした。ただ、前述の通り状況は厳しくなりました。

このような社会で、(社会に対して、社員に対して)責任のある企業として、企業人事における出口戦略、名付けて「人事出口戦略」が必要になってきたのではないでしょうか?あまり考えてこられなかった、「人事出口戦略」を、今こそしっかり考えておくべきだと私は思うのです。

本日ここまで、次回に続きます。次回はいよいよ人事出口戦略について具体的に述べていきたいと思います。

次回:人事出口戦略とは何か?わたしの考えるあるべき人事出口戦略

人事戦略を3つに分解したら見えてきた「人事出口戦略」

企業経営において必要不可欠な要素として「ヒト」、「モノ」、「カネ」という3大資源があるということは昔から言われています。それぞれに戦略という言葉をつけて、人事戦略、商品戦略、財務戦略という言葉も通常良く使われています。

その中で、人事戦略を時系列に見たとき、入口、中間、出口の3つに分解することができます。最初の入口にあたる部分を人事入口戦略、中間にあたる部分を人事真ん中戦略、最終の出口にあたる部分を人事出口戦略と勝手に名付けてみました。入口と出口はスッキリと決まりましたが、中間だけは人事真っ只中戦略とどちらにしようか迷っています。(どちらにしてもスッキリしませんが)

私的機関調べ(わたしのこと)では、人事入口戦略も、人事真ん中戦略も、人事出口戦略も、一般的には使われていませんでした。人事真ん中戦略は(人事真っ只中戦略も)、ネーミングに少々難がありますのでともかくとして、人事入口戦略や人事出口戦略は、ありそうで、ありませんでした。

会話するにしても、ブログ書くにしても、名前がないというのはとても面倒です。そこで本当に勝手ですが、わたしの周辺の極々狭い範囲(ブログやホームページ)では、この名称を使用したいと思います。

人事入口戦略、人事真ん中戦略、人事出口戦略とは?

前置きが長くなりました。

人事入口戦略とは、人事戦略の入口部分ですが、簡単に言ってしまえば、「どんな人を、何人、どの位の費用で、どうやって、採用しようか?」となるのではないでしょうか。

次に人事真ん中戦略とは、人事戦略の中間部分ですが、これも極簡単に言ってしまえば、「誰に、どの位の費用と時間を掛けて、どんな教育をして、どこに配置しようか?」となるように思います。

一方で人事出口戦略とはなんなのでしょうか?

企業が、将来の会社を背負って立つ(と淡い期待を抱きつつ)新人を対象に、時間と費用と労力をかけて熱心に人材教育をすることは当たり前であり、生産的であり、建設的であると思います。

そして、新人以上に会社の今現在を背負って立っている(そうでない人と思われる人も含む)中堅社員に対しては、さらに熱心に育成していくことも当たり前です。

今まで(今でも)特に名前がなかったにもかかわらず、人事入口戦略に当たる採用にも、人事真ん中戦略に当たる教育にも、市場(マーケット)が存在します。需要があるところに供給が・・・、こんなことはわたしが言うまでもありません。

再度自問します。では、人事出口戦略となんなのでしょうか?

人事出口戦略とは、「誰に、いつまでに、どの位の費用をかけて、どうやって、やめてもらうか?」を考えることです。いや、本当にそうでしょうか、何かトゲのような、ザラついた(入口や真ん中にはなかった)違和感があります。現実として、企業は人事出口戦略を考えているのでしょうか?

次回、この続きを書いてみたいと思います。
次回→今の日本にこそ必要な人事出口戦略を企業は考えているのか?